多くの多国籍企業が、インダストリアル・デザイン業務及びエンジニアリング・デザイン業務を盛んにインドへとアウトソーシング(外部委託)していることから、インドは今、国際的なデザイン(設計)拠点として頭角を現している。デザイン業務のアウトソーシング契約は、半導体、航空宇宙、自動車、工作機械、家庭用電化製品など、様々な産業部門へと拡大している。
- キャタピラー(建設機械)は、チェンナイに設計拠点を設立した。
- インテル(半導体)は、バンガロールで半導体チップの設計に取り組んでいる。
- アップルは、携帯パソコンのデザインで国立デザイン研究所にアプローチした。
- ランバクシー(製薬)は、カプセル剤の新たな形状や色味を研究している。
- ノキアは、携帯電話の一部をインドで設計している。
- ワールプール(耐久消費財)は、洗濯機の新製品開発をインドのデザイン会社に依頼している
インド人デザイナー(設計者)の専門知識は、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、日本といった数多くの国々の大手企業の注目を集めている。従って、ワールプール、GE、LG電子、フィリップス・ボッシュ、デルコンピュータ、フォード、トヨタ、フェラーリ、ホンダ、ラムバス(Rambus)、ウィンドリバー・システムズ(Wind River Systems)といった多国籍企業は、現在、インドに調査及びデザインセンターを設立している。また、レキット(Reckitt)、ボーイング、エアバスといった企業は、デザイン業務をインドのデザイン会社で行っている。
自動車のデザイン
インドは、米国、ヨーロッパ、日本、韓国以外で、自動車のデザイン能力及び生産能力の実績を持つ数少ない国の一つである。
- バンガロールのハリタ・インフォサーブ(Harita Infoserve)社は、ゼネラルモーターの内装部品の開発と、コンポーネントのコンピュータ・テストを実施している。
- プレキシオン・テクノロジーズ(Plexion Technologies)社は、ダイムラー・クライスラーのバスの内装デザインと窓ガラスを担当している。
- インドのOEMメーカーである、マヒンドラ・マヒンドラ(スコーピオ )やタタ・モーターズは、新型車のデザイン及び製造に成功している。
- マルチ・ウドヨグは、小型車スイフト(Swift)を日本のスズキ自動車の技術者と共同でデザインした。
インドの道路では、ほとんどの国際的な自動車メーカーの車が走っており、そんな中、インドでは車のデザイン費用が少なくとも5割安くなるとの認識から、国際的な自動車デザイナーもインドに集結している。トヨタ自動車、フォード・モーター、フェラーリ、ホンダ技研工業各社は、ロバート・ボッシュ、TRWオートモーティブ、ビステオン(Visteon)、コリンズ・アンド・アイクマン(Collins & Aikman)といった有力部品メーカーがそうであるように、インドでのアウトソーシングを増やしている。
このようなインドの自動車デザイン産業とエンジニアリングサービス産業への高まる関心が、2005年に2億7,000万~3億ドルであったこの部門のアウトソーシング市場を、2010年までに10億ドルを超える規模へ押し上げるとみられている。同時に、2005年には約12,000人であったインドの自動車デザイン供給会社の従業員数は、2010年までに40,000人に達すると見込まれている。