インドは、世界でもっとも急成長しているITハブとして台頭してきた。その成長の原動力となっているのは、カスタム・アプリケーション開発及びメンテナンス(CADM)、システムインテグレーション、ITコンサルティング、アプリケーション・マネジメント、インフラ・マネジメントサービス、ソフトウェア検証、サービス指向アーキテクチャ、ウェブサービスといったITソフトウェアやサービスである。
| 経済白書 2006-07: |
| 国民総生産へのIT産業の貢献は1999-2000年度には1.2%だったが、2005-06年度には推定で4.8%となっている。インドの企業の大半はすでに社内プロセスおよび実務をISO、CMM、シックスシグマといった国際標準に対応させており、インドがアウトソーシング先として信頼されている要因のひとつともなっている。2006年12月時点で、400社以上のインド企業が品質認証を受けており、その内82社はSEI CMMのレベル5認定を受けている。その数は世界中のどの国よりも多い。 |
今や世界中からインドのITサービスへ資金が投入されている。全国ソフトウェアサービス企業協会(NASSCOM)によれば、インドのIT、IT活用サービス(ITeS)産業の2006-07年度の収益は396億ドルとなり、当初の27%という予測を上回る30.7%の成長率を記録した。NASSCOMは、2007-08年の収益を490億から500億ドル、成長率を24%から27%と予測している。世界的に見ればIT産業の成長率は毎年約10%であり、インドのIT産業はそれをはるかに越えるスピードで成長していることがわかる。
ソフトウェア及びITサービスの輸出は、2006-07年度には33%伸び、輸出収益は314億ドルであった。国内部門の成長率は23%で、収益は82億ドルに達した。輸出の内、ITサービスの収益が180億ドルを占め、成長率は35.5%だった。NASSCOMのITソフトウェア&サービス輸出企業トップ20ランキングにおいて、タタ・コンサルタンシーサービシズ社、インフォシス・テクノロジーズ社、ウィプロ社がトップ3の地位を維持した。インフォシス・テクノロジーズの時価総額は2006-07年度には38%上昇し、76億8000万ドルとなった。
NASSCOMとインド信用格付け情報サービス(CRISIL)社が共同で発表したレポート「新たな潮流 ― IT、IT活用サービス産業の産出と雇用の連関」によれば、「IT、IT活用サービス分野で(国産の製品及びサービスに)1ルピー費やされるごとに、経済全体では2ルピー産出される。また、この分野でひとつの職が創出されるごとに、他の産業で4つの職が新たに創出される」という。
IT、IT活用サービス産業の輸出総額は、2010年には600億から750億ドルに上り、それと同時に関連セクターの経済への貢献は1,150億ドルにもなると予測されている。雇用創出という点から見ると、今後3年間で約1,100万の新規雇用が(直接的、間接的を含め)生みだされると考えられている。このレポートによれば、IT産業の収益は1997-98年の48億ドルから2006-07年には478億ドルへと、過去10年間で10倍に増えているとのことだ。
インドのIT産業:さらなる成功に向けて
- 国内トップ10企業のITソフトウェア、サービス輸出総額は、2006-07年に150億ドルを超えた。データクエスト(Dataquest)社の産業調査・分析によれば、トップ3企業 ― タタ・コンサルタンシーサービシズ社、インフォシス・テクノロジーズ社、ウィプロ社 ― が、その内の87億ドルを占めている。
- アクセス・マーケッツ・インターナショナル(AMI:Access Markets International)パートナーズ社が行った調査によれば、中小企業(従業員数999人以下)は、ITインフラ強化のため2007-08年に80億ドル以上を費やす予定だという。これは、前年の65億ドルと比較して24%多い。
- ある調査によれば、2006-07年に大手インド企業がITシステムに費やした費用は、前年よりも27%多い15億8,000万ドルだった。支出額トップ50の多くは公共機関である。
- 全世界で見た場合のIT対応ビジネスの規模は年間6,000億ドルだが、その内インドのIT産業売上高は約310億ドルである。
- インドのIT産業は、もっとも大きな雇用者のひとつであり続けており、160万人を雇用し、関連産業においてさらに600万人に対して雇用機会を創出している。
- IT産業は、インドのGDPの5.2%に寄与している。
- インド企業は海外においてもその存在感を増しつつある。世界的な大手IT、ビジネス・プロセス・アウトソーシングサービスプロバイダーであるゼンサー・テクノロジーズ(Zensar Technologies)社は、ポーランドのグダンスクに新たに拠点を構えることを発表した。ポーランドでそのような開発センターが、インドのアウトソーシング企業によって設立されるのははじめてである。